[Story3] 無農薬農家のペッさん
パクソン村で自然栽培のコーヒーとお茶を栽培しているペッの家に何泊かして、農園と村周辺を案内してもらいました。
右の黄色い建物がペッの家族の住む家、左が久保田さんとゲスト用の寝室のあるバンガロー。
バンガローからの景色。
目の前にコーヒーの木が見える。
パクソン村のあるボラベン高原は標高が1,000~1,300m程あり、昼はTシャツやタンクトップで過ごせる暑さ(30℃くらい)で、朝晩はダウンジャケットを羽織る寒さ(10℃くらい)まで冷え込む。
この寒暖差のある気候が農作物を育てるのに適していて、今密かに注目されている地である事を後に知る。
毎日ご飯をご馳走になる。ラオスの主食はもち米(カーオニャーオ)で、これが美味しい!
コーヒーとお茶も毎日頂きました。
新鮮な食べ物と飲み物が頂けるだけで感謝。
ペッの農園は、植えられてから何十年も経つコーヒーとお茶の木が綺麗に並び、それが大自然の景色と見事に調和している。
雨水が地面を伝い流れていく。
ただそれだけの光景ですら、自然が作り出した芸術のように見えました。
「自然栽培」とはこの事を指すのか、と圧倒される。
ルアンパバーンに続き、ここでも虹が見えた。
ペッは日本語はもちろん、英語も殆ど話せない。ラオス語の親戚であるタイ語を久保田さんが少し話せるので、彼とのやり取りはほぼ全て、久保田さんを介しての会話になる。
農園の周りを案内してもらう。
村の市場や広大なワラビ畑、お茶とコーヒーの木々は他の場所にも沢山ある。
自然豊かな景色にポツポツと見えるのは、大規模なプランテーション農園、建設中の大きなホテルや商業施設。どれも外資系企業によるものだそう。
…「5年前とは景色が全く変わってしまった。」
言葉は通じなくとも、何日か共に暮らしていれば彼が何を訴えているのかが分かる。
彼には子供が3人いて、子供達に真っ当な教育を受けさせたいというのが彼の想い。
ラオスは途上国で、現在経済発展を掲げて成長著しい国です。
周りの景色が変わっていく中、彼は自然栽培で作物の育つこの地に誇りを持ち、「ボラベン、パクソン、ナンバーワン」と口癖のように言う。
そして、自分が先頭になりこの土地を守っていく、という強い意志を彼から感じました。
観光者には案内していないという滝に連れて行ってくれて、そこで撮った一枚。
人間は、「言葉」よりも「行動」で分かり合える。
ペッの農園の事やラオスの現在(いま)を話す久保田さん。
久保田さんとは、夕飯の後に寝るまで毎晩色々な話をしました。
若い頃から世界中を旅し、タイで数年間過ごした後に辿り着いたのが、ここボラベン高原だったそうです。
ここでペッと出会い、今では彼らと家族のような間柄になっているのが見て取れました。
世代は私と違えど、経済的な“ゆたかさ”を未だに求め続ける先進国、日本で生きてきたからこそ共有できた、ラオスの魅力と希望。
日本人として彼らに協力できること、そしてお互いのやるべき事を話し合い、先ずは彼の作ったお茶とコーヒーを日本に持ち帰ることから、パクソン村での“ものがたり”は始まりました。
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